『名も無き 雑草。・・そして 此処に おります♪』 


by deracine_anjo
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『耳朶 (4) 短編小説』。。。。 『過去』

『耳朶 (4) 短編小説』。。。。 『過去』_a0021871_383157.jpg


某有名私大を 2年で中退。
周りの驚きを 切り捨てて 単身『オックスフォード大学』に入学。
いわゆる。。。(優秀な成績)で 無事 卒業。

そのまま あちらの企業に就職するつもりでいたが、
母が心臓の 手術を 受けなければ成らない事と重なり
急遽 日本に戻ってきたのは もう。。。。。。何年になるのだろう。

結局 中堅会社に 就職し 仕事が面白くなった頃、
『ヘッド・ハンティグ』で 今の会社に 引き抜かれた。

当時は 今の様に 『バイリンガル』だの『帰国子女』等と
もてはやされる時代で それなりに 風当たりは相当なものだった。
特に 男性からの嫌がらせに似た 拒絶は
その間 私自身の 仕事に 差し障るほどだった。


それでも 仕事の楽しさをバネに日々を過ごしていた頃
夫と 知り合った。
珍しく体調を崩し 空けられない会議の予定が入っている為、
目に付いて飛び込んだ病院のドクターだったのである。


端正な顔に、眼鏡の奥の冷淡とも言える瞳で 彼は 一言

     『一週間 海外旅行でもしてくれば 直りますよ。
      今日は 取りあえず 点滴とクスリは 出しますけれど。。。。』


一瞬 頭の中で 一気に血が 逆流するのが 判った。


      そんな 出会いをした私達が 結婚するなんて
      人生 何が 有るのか。。。。やはり 『神のみぞ知る』。。。ね。



洗面所の鏡に写った 私の顔は
  青ざめ。。。。それを 心配するように リュウが
     『みゃぁ~~~』と 一言 声を掛けてくれた。




                      『耳朶 (4) 短編小説  『過去』
by deracine_anjo | 2004-07-23 00:47 | 『耳朶』  短編小説