『名も無き 雑草。・・そして 此処に おります♪』 


by deracine_anjo
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『耳朶 2 短編小説』。。。 『帰宅』 より


忙しなく動く ワイパーを見つめながら ココロは
彷徨い続けていた。。。。
今しがた 別れた彼の事を 考えていると言うよりは
何度も繰り返してきた (自分のココロとの会話)である。


『お客さん ここで 宜しいですか?』


ドライバーの声に 我に返った私は 慌てて 財布を取り出し
タクシーから 逃げる様に 自宅への道を
雨に濡れながら 足早に 向かっていた。


すっぽりと 雨を含んだ身体に ホンの少し 妙な安堵感を感じた頃
私は 玄関先に 佇んでいた。
鍵を 差し込む瞬間 キリリ と 私のココロが
何かを感じたが 次の瞬間 頭を振って 苦笑い。。。
思い切りよく ドアを 開けた。


週に5日 来て貰っている彼女が いつもの様に
リビングは 私が気に入って購入した アールデコのライトで
暖かさを 醸し出し その中で 
寝ぼけ眼の リュウが 一言 
 『みゃぁ~~』 と鳴いて 暖かい身体を 摺り寄せてきた。


『ごめんね。。。遅くなっちゃって。ご機嫌は如何??』


濡れて重くなった 洋服を 剥ぎ取るようにしながら、
素肌に ガウンを 羽織り。。。
リュウのぬくもりを感じながら 素足のまま
キッチンへと 向かった。


急に 空腹感を感じたからだ。
『リュウ。。。一緒に お食事 しましょうか。。。。』




         案の定  主人は  まだ  帰宅していない。
               
                                   
                                          

『耳朶 2 短編小説』。。。 『帰宅』 より_a0021871_312099.jpg






気が付くと  左手で 

              耳朶に   触れていた。。。。


                   

                    『耳朶 (2) 短編小説  (帰宅より)』
by deracine_anjo | 2004-07-21 03:44 | 『耳朶』  短編小説