『名も無き 雑草。・・そして 此処に おります♪』 


by deracine_anjo
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『☆深紅の薔薇とおわら風の盆☆  母と娘』


 昨日は 5年目に入る癌の定期検査で 一日 朝から 病院に振り回された。

 目覚めと共に 5分間のデートの為 髪を洗い 月末の渋滞に 巻き込まれ

 何とか 予約15分前に到着。

 午前中に 『超音波検査』 午後一で 診療。

 7年通いつめた病院近くの桜も 観れば 胸が痛む。

 誰一人 この桜を観る季節には 形だけは 縁が無かったのだから。。。

 寝台に横になり いつもの様に 首にゼリーを塗り 少しづつ カメラを

 移動させていく。

 『何処か 気に成る場所は ありますか?』

 穏やかに検査技師の女性が 尋ねる。

 『数年前から 右側部と鎖骨に 腫れ物があります。』

 何度も 何度も 機械を左右上下に動かし 写真を撮る。

 次は 切り取った 甲状腺部分 左側部。

 数枚のシャッターが 切られる。

 検査は 15分足らずで終わり 外来に回されるが 診察は午後1時。

 まだ 病院に到着して30分も立たない訳で 手持ち無沙汰と成る私は

 仕方なく 病院を一旦出て 早めのランチを取る為 これも 何十回と

 遣って来たビルへと足を向ける。

 昼時の買い物客で賑わっている雑踏をすり抜け エレベーターに向かいながら

 微かな予感がした。

 7年間の本能だろう。。。



 診察室に入る。

 漸く 顔見知りに成り始めた まだ 若いドクター。

 『幾つか リンパにシコリが ありますね。まだ 小豆大位の大きさですけど。

 今の大きさでは 手術をしても 取り残す事がありえます。

 暫く このまま 様子を観る事にしますので。』

 予想より 内部に シコリが 有った様だ。

 全回 手術をした時に もう リンパに転移していた。

 再発なのか。。。聴きそびれたまま 仕方なく 次回の予約を取って 礼を告げ

 診察室を出た。



 自分の悲鳴で 目覚めた。

 昨日の疲れから 昼寝をしていたのだが 自分の声に 驚き 目覚めたのだ。

 夢は 悲惨な物だった。

 眠る前に 自分の身体中のリンパに 悪性腫瘍がはびこる様なツマラナイ事を 

 考えた所為だろう。

 場所は anjo が 初めて 自分の部屋を与えられた古い木造平屋建ての家。

 其処には 母の祖父母と母が居た。

 薄汚れた衣類に 埃だらけの家。。。荒れ果てたあばら家だ。

 それでも 帰省した娘を 満面の笑みで迎えてくれている。

 慌てて 私は 外に出た!!

 我が家の下は その近辺では お金持ちと言われていた。

 見下ろす広大な土地は 荒れ果て 木も草も 全て枯れ果てていた。

 池に居た何十匹という鯉は 当に 鳥や猫の餌に成り 観る事も出来ない惨状。

 階段を駆け下り 幹線道路に出て 私は 何故か

 『裸足のゲン』(読んだ事はないのだが)を 想像した。

 知らない 戦中戦後の風景が モノクロームの映像の様に 目の前には

 広がっていた。

 夢だと言う事は 理解していた。。。

 東京は 晴れやかに着飾り ブランド品に群がり 花見に酔う人々が

 溢れている所から 友人を 2人 連れて来たのだから。。。

 そして 一口 水を飲み 母に想いを馳せた。。。






 母は 何度 こうして 夢に 起こされてきたのだろうか。。。。と。


『☆深紅の薔薇とおわら風の盆☆  母と娘』_a0021871_229176.jpg



            『☆深紅の薔薇とおわら風の盆  母と娘』

 
by deracine_anjo | 2006-03-31 22:12 | ☆深紅の薔薇とおわら風の盆☆