『名も無き 雑草。・・そして 此処に おります♪』 


by deracine_anjo

<   2005年 01月 ( 88 )   > この月の画像一覧

a0021871_14423528.jpg


数回のコールの後 もう切ろうとした瞬間 女は気だるいハスキーな声で 電話に出た。
『俺だけど 今から行っても構わないか?』
含み笑いが聴こえた後 『私は構わないけど 貴方は平気なの?もう 随分飲んでいるんでしょ。』
『これから タクシーで直ぐに行く。』
それだけ言うと 携帯を切った。
女は銀座で小さいながらも洒落たBARを遣っていた。殆んどの客はママ目当てだが 使っている女の子も キチンと教育されたホステスで 仕事の関係で連れて行かれたのが切っ掛けだったが いつしか 俺の隠れ家の様な店になっていた。
パトロンが居るのか居ないのか分からぬまま 女と関係を持って もう3年になる。
お互い何も聞かない 何も束縛しない・・・・今夜の様に突然俺が電話して 嫌な時は ハッキリと断る。女の家に 泊まった事もない。
けれど 別れられないまま 3年が過ぎた。



女の部屋に着き インターフォンを鳴らす前に 静かにドアが開いた。
窓からでもタクシーが停まったのを見ていたのだろう。
『お久し振りね。お元気だった?』
『ああ なんとかね。悪いが 取り合えず ビールを貰えないか?』
女は帰宅後 もう風呂に入り化粧も落とし ゆったりとくつろいでいたのだろうが 俺の訪問の為に 薄っすらと化粧を施し テーブルには 簡単なつまみまで用意してくれていた。
いつも女の部屋に来ると これが水商売の女の部屋なのかと思う位 シンプルで尚且つ機能的 ごみ一つ落ちていない清潔感。
妻の恵美とは違ったくつろぎを与えてくれる空間・・・に 俺はこの女と別れられないでいる。
そして セックスにしても 俺は気に入っていた。
女がどんな人生を歩んできたのか知りたくも無いが 肌を合わせた瞬間に 俺は俺が求めている身体は これなんだと いつも想わされる。
ビールを飲みながら ネクタイを解く俺の姿を 端正な横顔の女は 細身の煙草をくわえたまま 穏やかに微笑んでいた。



タクシーが自宅マンションに着いたのは もう有に3時を回っていた。
ふと見上げた部屋は いつもの様に カーテンから薄明かりが漏れていた。
いくら 先に休んでいて構わないと言っても 微笑みながら 『はい』と答えるけれど 決して休んでいた事はない。
ポケットから鍵を取り出し 差し込もうとした瞬間 やはり静かに ドアが開いた。
『お帰りなさい。お疲れ・・・・どうなさったんですか?口元が・・・・』
『ああ 大した事ない。酔っ払いに絡まれただけの事がョ。まだ 眠ってなかったのか。』
上着を渡しながら リビングに入ると ヤンチャ盛りの子供が居る家には見えない程 キチンと整理され 清潔感の溢れるリビングのテーブルに 恵美の趣味であるパッチワークの鮮やかでそれでいて暖かい作品が 花の様に広がっていた。
『すみません。直ぐ片付けます。お休み前に お風呂にお入りになりますか?』
『いや 疲れたから 朝 入るよ。』
『はい 分かりました。では 早くお休み下さい。私は これを片付けてから 休みますから』
『ああ そうさせてもらうよ。おやすみ。』
『おやすみなさい、あなた。』



少しの間 夢の中にいたんだろう。
静かに寝室のドアが開き 恵美が音もなく柔らかい香りと共に 俺の側に滑り込んできた。
その瞬間 俺は 恵美のナイティーを脱がし 静かに 恵美の肉体の海に 落ちていった・・・



         『紅涙』  短編小説 (3) 『男と女』
by deracine_anjo | 2005-01-31 15:25 | 『紅涙』 短編小説

『莫蓮』

a0021871_1133041.jpg



  昔  そんな言葉で  


    ある女の人を  揶揄したそうな


  『莫連』・・・・・すれっからし女  あばずれ


    


  天邪鬼の堕天使


     


       誰のココロにも  ひそむ




        

             隠された   ヒダ  にも






                     思えるのですが・・・・・♪

by deracine_anjo | 2005-01-31 01:22 | ひとひらのkokoro...

『そよとの風』

a0021871_0504532.jpg




    この  想ひ



      そよとの風  と  共に



         アナタに  届けと



   祈りの様に  



      空を  見つめ



          願う  あたしが  いる・・・・・

by deracine_anjo | 2005-01-31 00:57 | refrain
a0021871_2027418.jpg


店の後片付けもそこそこに 急いで 新宿に向かったが やはり 9時を少し回っていた。
店に入った瞬間 心地よいジャズピアノに迎えられ 俺は 心なしか 穏やかな気持ちになったが 兄の顔を見た途端 その気持ちは 無残に叩き潰されたような気がした。
店を出る直前 妻の恵美に電話を入れ 『今日は兄貴と会うから遅くなる』と告げた時も 何故か俺は 恵美に対しても兄貴に対しても 言いようの無い腹立たしさを感じた・・・。
恵美は早くに両親を交通事故で失い 親戚の家を転々として育った。
18に成った年 独立し アルバイトに明け暮れながら 自力で保母の資格を取り生きてきた健気な女だ。結婚と同時に家庭に収まったが 申し分の無い女だと頭では分かるが 何処だか 恵美の従順さやオドオドした態度に 苛立つ時がある。
それが 恵美が 否応無しに 相手の意に沿わない事をしては成らないと 生きる為に身に着けてきた術なのだと 理解しながらも 兄と同じ様に 相手を本気で受け入れない堅くなさが 心の何処かに潜んでいるような気がしてならなかった。
電話口に出た恵美の後ろでは
『お腹が空いたよ~~~~』と恭哉の声が聴こえる。
『はい 分かりました。お兄様に宜しくお伝え下さい。』 
静かな声で 恵美はそう告げると 俺が電話を切るまで 決して自分から電話を切る事はしなかった。



『悪い。待たせたな。』
俺を冷たい眼鏡の下から一瞥すると 
『それ程 待ちくたびれてもいないから 気にするな。』
そういう 兄の前に置かれた灰皿の吸殻が その嘘を物語っていたが 俺は黙って バーボンとツマミを頼んで 煙草に火を付けた。
『仕事はどうだ?』・・・相変わらず 頭ごなしに俺に問いかける。
『丁度 ブームに火がついた感じだから ボチボチって所かな・・・』
『ふん・・・・お気楽そうで いいな。』・・・・こうやって 絡み出したら 手に負えない。
俺は 話を変える様に 
『所で 本当に何があったんだ。兄貴が俺に連絡してくるなんて・・・・お袋の調子が・・・・』
『ボケ始めた!!』
投げ捨てるように放つた言葉に 一瞬 俺は言葉を失った。
『アルツハイマーとか病気の所為なのか?』
辛うじて 俺の知識の中の言葉を吐き出すことが 精一杯だった。
『いや 単純な老人性痴呆が始まったんだ。そのお陰で 受験生を抱えた俺の家はガタガタだ。女房までおかしくなってきた。』



『少し 時間をくれないか・・・・今のマンションでは お袋を引きとるスペースがない。そろそろ俺も家を持とうと想っていた時だから 少しだけ時間をくれないだろうか。そうすれば 俺がお袋を引き取るよ。』
次の瞬間 グラスが割れる音と俺が殴られた鈍い音が 店内に響いた。
プライドが人一倍高い相手に 俺は 不用意な会話を向けたのだ。
慌てて顔馴染みのマスターが 駆け寄ってきたが 俺がウインクした事で 流石この道のプロ・・・・何事もなかったように テーブルを片付け 新しいバーボンをさりげなく テーブルに用意してくれた。
長年 この世界で生きてきた男だけある。
俺は このマスターが好きで 女っ気のないこの店が 気にいっている。
自分の行動に 恥を感じたのか そっと俺にハンカチを渡し
『すまなかった』と 呟いた。



俺は 兄貴と別れてから 数件の店をはしごした。
幾ら飲んでも 酔えなかった。
まだ 母は70にもなっていない筈だ。なのに 痴呆が始まってしまい 義姉達は その事でクタクタになっているという・・・・。
一度 逢いに行こうと想った。勿論 家を建てて母を引き取る事を前提で 考えなければならない事は 山済みにあるような気がしたが その時 俺は 不覚にも 恵美の事は何一つ考えてはいなかった。
いや あいつなら 反対する筈もないし 上手くやってくれるという 甘さが
在ったのは 確かだ。



俺は久し振りに 女の所に 電話を掛けた・・・・。


      
             『紅涙』 短編小説 (2) 『確執』
by deracine_anjo | 2005-01-30 21:12 | 『紅涙』 短編小説
辻井恭介 35歳 妻 恵美 30歳 子供は 長男恭哉 長女愛美 の 4人家族。
青山に輸入雑貨家具店を構えて 早いもので10年になる。
今程 『アジアン・テイスト』に脚光が浴びる前だったが それなりに乗り越え 漸く本当の意味で仕事が面白くなっていた時だった。
子供もそろそろ大きく成ってきた事だし 一軒家を建てる時期かなと思っていた矢先 兄の洋輔から一本の電話が入った事によって思いがけない渦の中に 巻き込まれる事になろう等とは その時は 思いもしなかった。



『ありがとうございます。リファインでございます。』
電話に出ようとした女子店員を手で制して 俺が出たのも今にしてみれば 運命の始まりだったのかもしれない。
『おお 恭介か?俺だ 洋輔だ。』
『何だ 兄貴なのか。悪い電話を切り替えるから 待っていてくれ。』
置くの社長室兼事務所に電話を切り替え 側にいた山下さんに 
『長引くかも知れないので宜しくね。』・・・・そう 告げて 俺は 奥へと引っ込んだ。
正直 兄とは余り仲のいい兄弟ではない。
兄は 父の跡を継いだ形で 銀行員になり 自慢の息子だった。
俺はと言うと 大学時代から 世界各国を バックパッカーの様に放浪して それでも 何とか大学だけは卒業したと言う 放蕩息子のレッテルを家族から 貼られた息子だ。
父は亡くなるまで 俺の仕事を 認めてはくれなかった。
もう 今となっては どうでもいいことだが・・・・。
そして 今は父の残した家を改築して 家族と母と暮らしている。



『もしもし・・・待たせて 悪かったな。今日は どうしたんだい?』
努めて明るく話し掛けようとするが どうも 上手く行かない。
客商売をしている癖に 情けないな!)などと想いながら 相手の言葉を待った。
『ちょっと 話しがあるんだ。今日時間あるか?』
『分かった。スケジュールを見てみるから 待ってくれ。・・・ああ 今夜なら大丈夫だ。』
『じゃあ 新宿のリオンで 8時・・・で大丈夫か?』
『出来たら9時の方が 助かるんだけどな。一応 店が8時までだから・・・・』
『分かった。じゃあ 9時に。』
そのまま電話を切ろうとする兄に慌てて
『何か困った問題でも 起きたのか?お袋の身体の調子が悪いとか・・・・』
『兎に角逢ってから 話す。じゃあな。』
幾つになっても 相変わらずだ。
後味の悪さに 俺は 煙草に火をつけて 溜息を付いた。




言葉では言い表せない 荒涼とした想いが 胸の中一杯に 広がった。


a0021871_1782732.jpg
  

             『紅涙』  短編小説 『第一章』 

            
by deracine_anjo | 2005-01-30 17:08 | 『紅涙』 短編小説
a0021871_13255781.jpg



  真っ先に  あなたに逢いに行こう


     姿は  見えなくとも  きっと  気配で


         お互いを  見つけ出せる筈



  あたしは  まだ  あなたと


     沢山の会話が  したかった


         色んな相談にも  乗って欲しかった






    そして・・・・・





              抱きしめて  欲しかった
by deracine_anjo | 2005-01-30 13:34 | つ・ぶ・や・き・・・・

『願い』

a0021871_1248998.jpg



   母  は  子  に


     丈夫 な 子 に 育てと

   
          ココロ  から  願う


   子  は  母  に


     いつまでも  元気でいて欲しいと


          ココロ  から  願う






         
       けれど   祈り叶わぬ事も  ある・・・・・








。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 

a0021871_1353131.jpg
 
  
  先程 検温致しましたら・・・

  御心配 お掛けしましたが anjo やはり 図太い様です。(^^)  

    
by deracine_anjo | 2005-01-30 12:54 | ひとひらのkokoro...

『上昇 止まらず♪』

a0021871_2382023.jpg



  丸一日 薬を  飲んでは  夢うつつ

  目が覚めれば  又  薬を飲んで・・・・

  通常 病院から処方されている薬に 風邪薬を プラスすると

  有に 10錠を越す事になる。

  

   『もう 飽きた!!』・・・と言う問題ではないが 

  
  やはり 飽きた!!


  浅い夢の中で  久しく想い出さなかった  『手毬詩』 を 聴いた。


  『てんてんてん毬  てん手毬・・・・』 



 

  子供が熱を出せば  寝ずに  凍り枕を  取替えたり

  汗を掻けば 乾いたバスタオルで 全身を拭き

  新しいパジャマに着替えさせ 布団の上に置かれた手で

  優しくトントンと 安心させるかのように 胸元を叩き

  眠りに入るまで 母親は 子供を見守る・・・・



  今 の この殺伐とした時代に

  全てが 失われたとは 想わないし 想いたくない

  けれど 本当の意味の 『ココロ の 豊かさ』 を

  何処かに 置き忘れてしまっている様な 気がして

  ガウンを着て ベランダで 火照った身体に 風を感じていた 

  あたしは

  慌てて 部屋に 逃げ込んだ・・・・




           熱に浮かれて  徒然な事を  書いてみました


                               

                皆様  御心配  頂き ありがとうございます



                                by   anjo
by deracine_anjo | 2005-01-29 23:52 | あたし の こと

『只今 上昇中♪』

a0021871_16124323.jpg



   鈍感なのかな?



   自分 の 事 と 成ると・・・・



   『おばあちゃんの 薬箱』


   
   との  付き合いも  4年目になる






          下がってくれると  いいんだけど・・・・
by deracine_anjo | 2005-01-29 16:20 | あたし の こと

『ダメ?』

a0021871_5155788.jpg




   階下では  家路を急ぐ


   華やいだ  子供達の声


   あたしは  暫く  ボンヤリと


   夕焼けを眺めながら


    






   現在と過去  の  境界線






            アナタ  に  想いを  馳せる





  
by deracine_anjo | 2005-01-29 05:16 | tameiki ひとつ。。。