『名も無き 雑草。・・そして 此処に おります♪』 


by deracine_anjo
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『2月16日  7年』

『2月16日  7年』_a0021871_13392721.jpg


  霧雨が 静かに降っていた。。。

  『密葬で・・・』 と言う 母の遺言に従い 静かな出棺だった。

  参列者は 父、パートナー、私 と 愛犬のフランコ。

  当時 愛犬の為に乗っていた グリーンのエステートの○○○。

  奇しくも 黒塗りの同車種との らんでぶーで 火葬場迄 向かう事になった。


  亡くなった夜 親族や友人知人に 初めて連絡をした。

  皆一同に 私が 何を言っているのか 理解できない状態だった。

  それでも その日の内に 駆けつけてくれた友人も居た。

  自宅の前で 抱きしめて貰った。

  今でも あのぬくもりは 忘れはしない。。。


  豪華な祭壇等は 必要無いが 兎に角出来るだけ 沢山の洋花で 

  母を送りたいというこちら側の要望に 6畳一間の部屋は むせ返るほどの花で

  溢れた。。。


  明日も又 雨に成ると言う。。。

  火葬が終わって 小さな箱の中に納まって仕舞った母を 連れ帰る頃には

  雨は 上がっていたのを 覚えている。。。

  初めて 葬儀に出たのは まだ 小学生低学年だった。

  父の母親だった。

  まだ 自宅に電話が無く お隣のお宅に 父が病院から電話を掛けてきて

  訃報を知らせた。

  その数年後には やはり 父の父親が 亡くなった。

  子供の頃に 早くして 人との別れを 体験してきた娘が

  やはり 『享年67歳』 という 年齢の母を 看取った訳だ。

  皆すべて 手遅れの癌だった。。。


  初七日を過ぎた時点で 母に託された姉弟や友人に向けての手紙を

  拙い言の葉を添えて 投函した。。。。

  数年後に 『散骨』 を終えた事で 私が 母に託された1つの出来事は

  幕を閉じた。





  今の娘を 嘆いている事だろうが それでも 見捨てる事も出来ず

  傍らで 守っていてくれていると 信じる娘である。。。

  

                      『亡き母への手紙   anjo 』
by deracine_anjo | 2006-02-15 13:44 | ☆深紅の薔薇とおわら風の盆☆