『名も無き 雑草。・・そして 此処に おります♪』 


by deracine_anjo
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『☆深紅の薔薇とおわら風の盆☆』 (5)



 私が この場所で 言の葉を紡ぎ 又 現実の世界で 生きる上で 一番 脅える

 のは 紛れも無く 『言の葉』 なのです。

 何気なく使った言の葉が その人にとっては 棘と成り いつまでも 痛みを

 残す事に成るのではのでは。。。

 自分自身の生きてきた路から 学んだ怯えなのです。



 幼い頃の私は 少しばかり ボンヤリした処は有りましたが 快活な子供でした。

 当時の社宅は 一階に共同トイレが有るという 質素な物でした。

 3歳足らずで 私は真夜中に 母を起こさず ドアを開け 階段の電気を点けて

 一階のトイレに行ける子供というエピソードの持ち主。

 シッカリしているのか ボンヤリなのかの境界線。

 昼間は 同じ年頃の男女ごちゃ混ぜで 浜辺で 泥だらけになり

 部屋で遊ぶ時は 静かに 独り遊びを する子供。。。

 唯一 不自然だったのは 積み木に書かれている 『字』を 尋ねる事を

 しない子供だったそうです。



 其れが 災いしたのでしょう。

 小学校1年生の時に 夜 自宅に 担任から電話が 掛かって来たのが

 母と私の関係を 微妙に崩れさせる 前兆でした。

 電話の内容は

 『テストの時に カンニングをしている様子だ』 という事でした。

 母にとっては 青天の霹靂だった事でしょう。

 『プロペラ』 を 『ヘロペラ』・・・時計の見方すら解らないほど ボンヤリした

 子供が カンニングをしている。



 私にとっては 理由は 単純な事でした。

 テストを受けても 何だか 良く解らない。。。だから ボンヤリ 周りを眺めている。

 けれど 大人の視線からは 『カンニング』 をして居ると写った。

 私の言葉は 当時 帰国していた父も含めて 聞き入れられませんでした。

 酷く叱責をされた後 私の下敷きには 油性のマジックで 6か条近くの約束事が

 大きく書かれました。

 殆んどは 覚えていませんが

 『テスト中に キョロキョロしない!!』 だったような気がします。



 子供の言葉を 親が信じるか 当時 絶対的であった先生の言葉を 全て

 鵜呑みにして それ以後 子供を 雁字搦めにするか。。。。

 それは 私達にとっては 大きな 『境界線』 と成った事だけは 確かでした。

 故に 私は 『言の葉』 が 『言の刃』 に成ると 今も尚 脅えるのです。



『☆深紅の薔薇とおわら風の盆☆』 (5)_a0021871_12505941.jpg

by deracine_anjo | 2005-10-28 12:51 | ☆深紅の薔薇とおわら風の盆☆